2003年出た本.備忘録.
あっという間の1年という感慨・・・.
たくさんの本が出たけれど,5冊ほど.
▼豊田編「共分散構造分析[疑問編]」朝倉書店
ひととおり最後まで眺めながら,ひろい読みした.とりあげた疑問はどれも
興味深いもので,きっと多くの人々のニーズを満たすであろう.短い頁で端的に
説明をするのは苦労したことでしょう.
著者らは豊田研究室の面々である.この間まで著者らを前に講義していたかと思うと,
若き俊敏なる学徒の成長力と,自分の老化の対比を見る思い深甚なり.豊田先生の
指導力の賜物.
▼小島「Excelで学ぶ共分散構造分析とグラフィカルモデリング」オーム社
やっと買いました.N田先生と飲みながら「まだ僕は買ってないんですよ,読みましたかあ」
と聞いたら,「読んだよ.いい本だ.惜しげもなくノウハウを読者に提供している」という評価
でした.本が届いたので,さっそくざっと眺めてみました.とてもわかりやすい.
あとで通読します.CD−ROMがついているので,学生も使うようになるかも知れません.
しかし,タイトルですが,どうしてSEMが先でGMがあとですか?.逆の方が小島さんの
立場を示しているように思いますが・・・.それに,「GM→SEM」という戦略ですし.
営業マインドが動きましたか(笑).
自分でプログラミングして納得していく態度は,芳賀敏郎先生の
弟子ということになりますね.
▼永田「サンプルサイズの決め方」朝倉書店
まだ読了していません.原稿もいただいており,
出版後に献本もしていただいておりますのに,恐縮至極であります.
タイトルは原題が「検出力とサンプルサイズの設計の理論と実際」であったわけですが,タイトルを大衆化したことで
貴重な内容が,多くの人に読まれることを願います.
このような基本的事柄をしっかり勉強しておかなければならない,と身の引き締まる思い.
▼丹後「無作為化比較試験」朝倉書店
ここ数年の丹後先生は精力的に本を書いているように思う.
個人的には面識はないのですが,学会などで遠くから拝見したことはあり,それによれば若々しい印象.
読んだ印象は「キレ者」.
とても重要なテーマを取り上げて本にしていると思う.ぜひ勉強したいことばかり.
しかし,実験データ,医学データという分野の相違から,買ったままの本もあり.お恥ずかしい.
▼奥野「船場の子 世界を歩く」日科技連
遺稿である.遺著である.少しずつ読んでいます.お亡くなりになるまで書いておられた本とは
これだったのですね.フィッシャーやマハラノビスやラオに直接あって研究なさった頃の話など,
奥野先生の講義を受けた学生は知っていても,そうでない人々には聞けなかった話ばかり.
ゆっくり読みます.合掌.
★2003年の反省−−「前年と同じ・・・」
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